我が家に来る前からフィラリア陽性だったシェルくん。
その影響もあって心臓の血流に乱れがあり、僧帽弁閉鎖不全症と診断を受けていました。
実は先日、胸水・肺水が溜まり一時危険な状態となっていました。
当時は「余命はどうなるのか」「予後はどうなのか」がとにかく気になって調べていましたが、個人の体験談はあまり見つけられず…。
ということで、我が家の経緯をまとめておきます。
はじまりは「なんか変?」
何となくシェルくんの様子が気になったのは、2021年2月6日。
「最近シェルがうろうろしているときが多いな」と思うことが増えました。
何となく部屋の中をぐるぐる回ってみてはこっちをじっと見ているシェル。
しばらく歩くと満足したように眠るので、認知症の始まりだろうか…と不安に思い、お医者さんに相談。
そのときは「認知症の可能性もある。少し様子を見ましょう」とのことでした。
今思えば、そのときすでに苦しくて眠れず歩いていたのだと思います…。
しかしその後たまたま私が一日家にいるタイミングがあり、シェルくんを見ていると…なんだかおかしい。
・うろうろしている時間があまりにも長い
・じっとしているのにはあはあしていることがある、息が荒い
・睡眠時間が短い
お医者さんには様子を見ようと言われたけれど…
やっぱり様子が明らかにいつもと違う…気になる!
そう思ってパパに相談し、翌日はパパが一日様子をチェック。
「やっぱり変だ」ということで意見が一致しました。
いろいろ調べ、もともと心臓が弱いシェルくん、「水が溜まっているのではないか?」という予想を立ててお医者さんに連れて行きました。
それが2021年2月13日。一度病院で相談してから、約1週間後のことでした。
かかりつけの先生に「レントゲンを撮ってください」とお願いしました。
すると、「水が溜まっている」との診断。
すぐに大きい病院へ運んでくれとのことで、そのまま入院となりました。
退院できたのは2月22日。
実に一週間以上の入院になりました。
入院中
初日、胸水・肺水を1.1L抜いてもらったシェルくん。
大きい病院では即座に酸素室に入れてもらい、ぐったりしていました。
その時点でわかったのは、心臓の状態が以前より悪化しており血液の逆流が激しいこと。
点滴はじめ、命をつなぐ治療をしてもらうことになりました。
入院できたのは深夜だったので、シェルくんを残し人間は帰宅。
その日からシェルくんの戦いが始まりました。
峠を越えるまで
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中だったため、つらかったのが面会ができないこと。
入院当初はシェルくんの震えがひどく、ぼんやりとして呼びかけにも反応なし。
さらに抜いても抜いても水が溜まってしまう状態でした。
その様子を電話越しに聞くだけ、声をかけにいってあげることもできない…というのはかなりしんどかったです。
緊急で救命措置をする可能性もあるとのことで、同意書を書いての入院でした。
また、非常に怖かったのは「抜いた水の中に血が混じっている」と言われたこと。
「このままのペースで出血し続けると命が危ない」とも言われ、一時は最悪の事態を覚悟しました。
通常は37%~55%のヘマトクリット値が4.1%にまで低下。
10を切るとそれだけで生死に関わる値だそうです。
この時点でシェルくんと二度と会えないことも覚悟し、「ペット 葬儀」「犬 火葬」で検索して資料請求をしました。
そのくらい「もうだめかもしれない」と感じました。
ちなみに問い合わせたのは「ペット葬儀110番」という総合窓口的なところ。
ひとまずお世話にならずに済みました…。
我が家の場合大変だったのが、シェルくんの心臓が弱っているため本格的な検査ができないこと。
様々に検査をする場合、麻酔をかけて…ということになりますが、そのリスクが高すぎる! ということで厳密な検査はできないままでした。
おそらく心臓由来だろう、ということで薬を決めてもらい、治療を進めました。
辛い時間
入院から3日ほどで、胸水のたまる速度こそ速いものの「元気が出てきて動いてしまい、水が抜けない」という連絡が。
血が止まったようでヘマトクリット値も上昇し始め、ご飯もよく食べているとのことで、ほっと胸をなでおろしました。
それでもあの食欲の塊のようなシェルくんが「ドライフードだけだと食べないので缶詰を混ぜています」と伺い、ほろりと涙が…。
帰ってきてからはいつもどおり何でもよく食べるシェルくんに戻ってくれました。
ここからは「胸水が溜まるスピードが遅くなれば退院できる」と伺い、溜まり具合の連絡に一喜一憂する日々が始まりました。
こちらは初日のレントゲン写真。白く染まっているところが水なので、空気がほとんど見られないことが分かります。
本当に苦しい思いをさせてしまったと思います…。
はじめは3~4日の入院とのことでしたが、結局退院できたのは9日後。
胸水を抜くためのカテーテルを入れられれば管理がたやすくなるため退院もできるのではないかと相談したのですが、前述の通り麻酔リスクが高すぎてその手術もできないとのこと。
薬の量を調整してもらって管理し、なんとか通院に切り替えられるよう病院の皆様に奮闘していただきました。
通院に切り替わってから
最初のうちは退院後2日でまた通院。
シェルくんは歩いて向かえない距離だったので、ペット用カートに乗せて通院しました。
通っては水を抜いてもらい、薬の調整を続けました。
退院後2日は震えやはあはあが止まらず、尿漏れもありました。
尿道にカテーテルを入れる処置をしてもらっていたため体の汚れはほとんどなかったのですが、そのせいでゆるくなっていたのだと思われます。
こちらは徐々に改善していきました。
数日おきの通院がしばらく続いたあと、週に2回、週に1回と徐々にペースを落としていき、現在は月に2回の通院で大丈夫、と言ってもらえる状態にまで落ち着きました。
病院では水のたまり具合と心臓の働きをチェックし、薬の量を調整しています。
薬の中身
処方されているお薬は現在三種類にまで減りました。
これに抗生物質をくわえていたときもありました。
主に心臓の働きを助けるお薬です。
・アムロジピン
・ベトメディン
・シルデナフィル
を服用してもらっています。
残念ながら手術は以下の2つの理由から難しく、今後一生お薬でコントロールしていくほかはない、という診断をもらっています。
・心臓の弁の損傷がひどく、現在の医学では治しきれない部分がある
・本犬の体力的に、全身麻酔をしての心臓の手術にかなりのリスクが伴う
自宅でのケア
おうちでしてあげられることはあまり多くはありません。
とにかく以下の3点に気を付けています。
1 体調に変動がないか見守る
「おかしいな?」と思ったときに病院に連れて行ってあげることができ、シェルくんは一命をとりとめてくれました。
ちょっと変だな、と感じたときは週の終わりでしたが、あのとき「週明けまで待とう」と考えていたらシェルくんは今この世にいなかったかもしれません。
今もシェルくんの様子、とくに「眠れているかどうか」をよく点検し、ちょっとでも変だと思うことがあればかかりつけのお医者さんにお電話・または次の通院日を待たずお医者さんに行くようにしています。
水が溜まってくると、「横になって眠れない、休むことができない」という症状のほかに「はあはあと口を開けて呼吸をする」というものも出てきます。
シェルくんもこの「はあはあ」が出ることが多くなりました。
だいたいは「トイレに行きたい」か「酸素室を使いたい」なので、様子を見てニーズを満たすようにしてあげています。
2 酸素室の活用
入院中、「用意しておいた方がいいかもしれない」と言われた自宅用の酸素室。
調べたところ、レンタルが複数社あるようでした。
お医者さんの話によれば、
どこのメーカーのものでも構わないので、用意しておくことをオススメします。
うちの子が必要になったときは、一番早くうちに届けてくれるメーカーのものを選んで頼みました。
とのことだったので、我が家でも導入を決定。
レンタルと購入が可能でしたが、我が家では「元を取るまで長生きしてもらう!」という気合を込めて(笑)購入することにしました。
前述の通り、同じタイミングでシェルくんの火葬のことも検討をしています。
パパも私も「もう駄目かもしれない」という気持ちと「絶対助かる」という気持ちで揺れ動いていた入院期間中だったな、と改めて思います。
ちょっと息苦しそうにしているとき、なんとなく眠れない顔でこっちを見てくるとき、ひとりで酸素室に入っていったとき…など、気軽に使っています。
慣れるまでは「使いすぎもよくないんじゃ…」と非常に心配だったのですが、お医者さんから「家庭用の酸素室では悪影響になるほどの酸素濃度になることはあり得ません」と言い切っていただき一安心。
酸素計も導入しているので、濃度が何%になっているかも可視化できます。
我が家で購入したのはコチラ。
普通の部屋の酸素濃度は20%ぐらいですが、酸素室では35%ぐらいまで上げることができます。
(息を吹きかけるとぐんぐん数値が下がるので面白いです)
酸素室でしばし休んだあとのシェルくんは、足取りが軽くなり目に見えて元気になります。
3 筋トレ
普通のお散歩はもう体力的に厳しいシェルくん。
お医者さんからも「歩かせるのは1回15分程度にしてください」というご指示。
それでもお散歩は大好きな子なので、ペットカートに乗せて公園まで連れていってお散歩したり、おトイレのたびにちょっと家の近所を歩いたり。
それに加えて筋力が落ちるのを防ぐために、脚を曲げ伸ばしするマッサージをしています。
後ろ脚を優しく引っ張ると、シェルくんが軽く引っ張り返してきます。
そうしたら手を放すだけ。簡単です。
強く引く必要はありません。なんなら触るだけでも力が入るので効果があるそうです。
毎日30分ほどやるとよい、とお医者さんに言われましたが…そこまでできていません。
退院後のシェルくんは以前より体を触られるのが嫌いになってしまい、頭や背中以外を撫でると怒って吠えてしまうようになったからです。
(お外で他の人になでなでされるのはOKなのに、おうちでパパママに触られると怒ってワンワン…涙)
吠えると息が苦しくなって咳が出てしまい、気管支にダメージがあるためまずは触ってもOKになってもらうよう頑張っていました。
おやつをあげながら触ることで、だんだん以前のように触らせてくれるようになってきました。
(それでも時々怒りますが…(笑))
おうちではお口が出ることもあるシェルくん、ストレスがたまると体に負担がかかってしまうので、バランスを取りながら頑張ってもらっています。
まとめ
とにかく生きててよかった!
日々シェルくんの温かさに感謝しながら暮らしています。
本当に、生きていてくれてよかったです。
入院中は「もうだめかもしれない」「検索しても助かったわんこの情報が出てこない」と泣いていた過去の私のためのまとめ記事です。僧帽弁閉鎖不全症から水が溜まって緊急入院となりましたが、まだ生きています!
2021/9/30追記:残念ながら2021/9/20、シェルは永い眠りについてしまいました。
それでも半年以上、素敵な時間をくれました。
詳細は別記事にまとめてありますので、よろしければご覧ください。
なお入院から通院、お薬代まで、なかなかの医療費がかかっています。
費用面に関しては以下の記事をご覧ください。
同じく僧帽弁閉鎖不全症と診断されたわんこのために参考になれば幸いです(‘ω’)ノにいで家のママでした。
コメント