「保護犬 譲渡 条件」と検索すると、そこに続くのは「厳しい」の文字。
どうやら「保護犬を(場合によっては保護猫を)譲渡してもらうための条件が厳しすぎる!」と思っている方が一定数いらっしゃる様子です。
ところで、我が家の愛犬2わんこはどちらも元保護犬。保護団体さんから譲渡していただきました。
応募した回数は合わせて2回。つまり、一度も団体さんから「お断り」を受けたことはありません。
言ってみれば「百発百中」です(どや顔)。ごめんなさいこれは言い過ぎです(笑)。
そんな我が家の体験をもとに、「保護犬と暮らすにはどうすればいいか」をまとめていきたいと思います。今回の記事は、実際どんな条件があるのか? という点についてです。
本当に譲渡条件は厳しいのか
厳しくないです(結論)。
どうしてもネット上では「断られた」「怖いことを言われた」「団体さんが高圧的だった…」等々、マイナスの口コミが増えがちです。
そういう情報ばかりだと「保護犬は怖い」「断られるんじゃないかと不安」と思う人が増えてしまうのでは…とこの記事を書き始めました。
実際、全然厳しくないです。というか、厳しくない団体さんはあります。
ネット上の口コミも、「そういう団体さんがあった」という話だと思います。
「譲渡条件が厳しい保護団体がある≠保護団体の譲渡条件はすべて厳しい」。
「悪い人がいる≠人間は全部悪人」と同じです。
ということで今回は、しいの譲渡元「HappyPaws」さんの譲渡条件をまとめてみました。
まずは以下の基本的な条件、ご覧ください。
経済力に関する項目
☆収入がある
そりゃそうです。金がなければ犬は育ちません。
「貧乏人は犬を飼うなということか!」っていう言葉も聞いたことがありますが、「そうです」としか言えません。
犬に十分なお金をかけてあげられない人は犬を飼っちゃいけないんです。
それが命を預かるものとしての義務、責任です。
住宅に関する項目
☆ペット可住宅に住んでいる
当たり前ですね。ネットで「賃貸だと断られた!」という意見も目にしましたが、そういう団体さんばかりではありません。
(もちろん、団体さんにも犬にもよります)
☆近日に転居がある場合、トライアル開始は転居後
我が家もそうでした。申し出たのは引っ越し前でしたが、引っ越してからしいちゃんのトライアルを始めています。
わざわざ引っ越しの大変さをわんこに味わわせる必要はないですよね。
家庭環境に関する項目
☆(単身者や高齢者だけの場合)終生飼養の責任を負う保証人&後見人
「独身だから譲ってもらえない」「高齢だから譲ってもらえない」という声も聞きますが、こういう団体さんも多いです。
夫婦なら少なくとも片方に何かあってももう片方が犬を飼い続けられますが、単身ではそれは無理。
高齢者も、犬より先に亡くなるリスクが高いと言わざるを得ません。
万が一のときは誰が犬を引き取るか、を決めてから飼い始めるのは必須だと思います。
☆無職・乳児・妊娠中で出産を控えている人の応募は不可
乳児(1歳未満の子ども)を育てながら、または生まれてきた子を育てながら、新しく犬も…が大変だというのも分かります。
「無職の方」の定義は今一つわかりませんが、「生計を立てられる収入がある」状態なら問題はないのではないでしょうか(ちょっとここは弱気。よくわからないので)。
☆(先住犬がいる場合)不妊手術
未去勢・未不妊の状態でオスメスが揃えばすぐに増えてしまいます。
わんこの健康のためにも、手術は考えてほしいと思います。
他の条件は?
実はちょっぴり、他にも条件があります。
以下、同団体の規約から。
引き渡しは自宅のみ
家の中を見せるのが嫌、という声も聞きます。
この意見には、「家を見せてもいいと思える、信頼できる団体さん・預かりさんを見つけてほしい」と思っています。
特に初めて犬を飼う方、自分の家は犬が安全に過ごせるのか心配じゃありませんか?
(私は心配でした。見に来てもらえて助かりました)
信頼できる団体さんに巡り合うまで探す、というのがまず大事なことだと思います。
しかもこれから引き取るのは商品じゃない、大事な家族。
家族をここまで育ててくれた、救ってくれた人を家に招けない、っていうのは変だと思います。
しいの場合は預かりさんの自宅にお邪魔してお見合いをしたので、余計に「家に来る」という部分への抵抗感はありませんでした。
書類を作成する
一生大事にします、っていう書類にサインして、わんこと一緒に写真を撮ります。
これは「里親詐欺の抑止」という面があると思います。
我が家も撮ってもらいました。しいもママもパパも緊張した一枚が残っています。
こういうものにたとえるのもどうかな、とは思いますが、家や車などを買うときって書類を書きますよね。そう考えれば、特に違和感はないと思います。
また、「団体さんとの約束をきちんと守ります」という表明にもなります。
費用負担
多くの団体さんで、「医療費の一部負担」があります。個人的にはむしろ「一部」負担でいいの? と思うくらいです。
(これは団体さんによって違います)
明らかに1わんこを助け、育てるには不足の金額です。
「寄付が義務なんて譲渡じゃない」という意見も目にしましたが、個人的にはよくわかりません。その子を育てる費用は負担すべきだと思うのですが…しかも全額じゃないし。
その他
「Happy Paws」さんの場合は、「終生飼育・室内飼い・毎年のワクチン接種と狂犬病予防注射・フィラリア予防薬の投与・畜犬登録」が条件とされていました。
- 終生飼育:一生大事にしますってこと。当然。
- 室内飼い:これは団体・犬によります。外飼いをしたい場合は、それがOKな犬、団体さんを探しましょう(結構あります)。
- ワクチン接種・フィラリア予防薬:犬の健康のためには必須です。やらないと大きく寿命を縮め、犬を苦しめることになります(個人的にはここに「ノミダ二の予防措置」が加わってもいいと思っています)
- 狂犬病予防注射・畜犬登録:これはやらないと法律違反になります。必須です。
結論
まとめると、保護犬を引き取るためには、
「お金・家・面倒を見る人をそろえる」
「一生大事にしてきちんと世話をすることを約束し、信用を得る」
以上のことが必要、ということです。
結構当たり前のことですよね。
保護団体さんは、商売でやっているところとは違います。
お店の商品が「売れればいい」というのと同じように、「譲渡できればいい」と考えているわけではないんです。
「かわいそうな犬をもらってやろう」という考えでは断られてしまう、と思います。
ぜひぜひ「ここだ!」と思える団体さん、自分の生活スタイルに合ったわんこと出会ってもらえればと思います(‘ω’)ノにいで家のママでした。
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