私が「ホメオパシー」を愛犬に使わない理由

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犬と暮らして

すっかり弱ってしまった我が家のシェルくんについてSNSで発言すると、ありがたいことに様々なアドバイスをいただくことがありました。
その中で自然と「ホメオパシー」に関連するものについてオススメいただくこともあり、今まではふんわりと流すようにしていました。

しかしTwitterのフォロワーさんも増え、私のやり取りをご覧になった方が興味を持つかもしれない…と考えたとき、その態度は不実なのではないかと思うようになりました。
そのため、この記事で私の「ホメオパシー」に対する考えを明確にしたいと思います。

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「ホメオパシー」に科学的根拠はありません

そもそも「ホメオパシー」をご存じない方もいらっしゃると思います。
様々な成分を加えた(とされる)「レメディ」と呼ばれる砂糖玉を摂取する治療法ですが、これは「ただの水」「科学の無視」「プラセボと同じ」と日本医学会によって明確に否定されている、いわゆる「ニセ科学」です。

検索すると「日本ホメオパシー医学会」なるホームページや、ホメオパシーを肯定的に扱うページなども出てきて「本当は効くんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし「日本ホメオパシー医学会」は一般社団法人
特に認証制度があるわけではなく、メンバー2名とちょっとした手数料を用意して登録すればすぐに作れます。
(私が「一般社団法人 にいで家」を立ち上げようと思えば作れます)
団体があるから、ホームページがあるから…といって手放しに信用できるものではありません。

「ホメオパシー」における「薬」は「希釈(薄めること)」をすればするほどよく効く、とされています。
そのため、元の物質の分子が残らないほど非常に薄められています。
それが効く…というのなら、何も入っていない砂糖玉を舐めても効くはずです。
つまり、科学的根拠は全くないお話です。

プラセボでもいい、は在り得ません

プラセボ(偽薬)効果だとしても実際に治るならそれでいいじゃないか、という意見を耳にすることもあります。
人間用の薬ならそれでもいいかな、と私も思います(笑)。

でも、問題はわんこです。
わんこにプラセボはありません
薬を飲ませた、という安心感で曇るのは、人間の観察眼の方です
それで苦しむのはわんこです。

我が家のシェルくんは「なんか様子が変だな」と思ったところで肺水腫を疑い、お医者さんでレントゲンを撮ってもらったことで一命をとりとめました。
そこで「ホメオパシー」のような代替医療に頼っていたら、彼はその時点で亡くなっていたと思います。
(週末のタイミングだったのですが、週明けを待っていたら危なかった状態でした)
飼い主の目を曇らせる効果は、十分に悪です。

動物実験でもプラセボ効果が確認された、という発表をしっかり読んでみると、観察者・介護者がプラセボに騙されているだけ、というものは多くあります。
わんこは薬とよくなることを結び付けて考えてはいません。
わんこは…というと主語が大きすぎるのであれば、我が家のシェルくんは薬と病気がよくなることを結び付けて考えてはいなかったと思います。
命をつなぐために飲んでいた薬ですら、全力で吐き出そうとしていました。
そんな彼が「薬を飲んだ」という安心感で体が楽になる…はずありません。

わんこは治療法を選べません

Googleで「ホメオパシー」と検索すれば、肯定的なページがたくさんヒットします。
「副作用がない」ことを喧伝するページもたくさんあります(薄めれば薄めるほどよいのであれば、副作用はそりゃあないですよね)。

「ホメオパシー 犬」と検索すると、「与え方」が出てきます。
ショップや動物病院のページすら、ホメオパシーを肯定的に扱っているものもあります。
人間はいろいろな情報を集め、自分で治療法を選ぶことができます。その結果代替医療を選択することも自由でしょう。

でも、わんこは自分で治療法を選ぶことはできません。
ホメオパシーについて否定的な言説は、きちんと調べればたくさん出てきます。
なんとか治してあげたい、と思うと、すがれるものには何でもすがりたくなる気持ち…それは私にもよくわかります。
でもだからこそ、大事なわんこのため、正しい情報を入手してほしいと思います。

「ニセ科学」を見抜くための知見を養える本はいろいろありますが、個人的にオススメなのは『代替医療解剖』。読み物としても面白いです。

あくまでもそれは「お守り」です

私は「ホメオパシー」は「お守り」や「信仰」に近いものだと思います。
自分がそれで安心する、というのならいいでしょう。
こうすればうまくいく、という願掛けがあったりしますもんね。
(私も「夜眠れないときのおまじない」なんかがあったりします)

でも「ホメオパシー」は「科学的」ではない、ということは忘れてはいけません。
上記の「日本ホメオパシー医学会」のホームページでは「世界保健機構が認めるように」と、あたかもWHOのお墨付きがあるような書き方をしています。
しかし、世界保健機構が「ホメオパシー」を認めているという一次情報は発見できませんでした。
見つかったのは、WHOが「ホメオパシーが利用されている地域がある」ことを認めた、という内容。

多くの人に使われていることは、効果があることとはイコールではありません。
体液のバランスを取るとして行われていた「瀉血」だって、多くの地域で使われていました。
でも、具合が悪くなったな…血を抜こう! って、思いませんよね。

価格に見合った価値を見出せません

こちら、名称は「砂糖」。原材料名は「粗糖」です。
つまり砂糖の粒です。
それに1万円以上…費用対効果はどうですか?

だったらわんこのためにグレードの高いフードにしたり、もしものために保険に入ったり、首輪やハーネスを高機能のものにしたり…できることはたくさんあります。
私はそっちにお金を使いたいです。

あと、同じ砂糖の粒なら私はこっちの方がいいです(笑)。

まとめ:最善の治療法を選びたい

科学的根拠がないことを分かった上で使うなら、それはそれで一つの選択だと思います。
現代の科学では証明できないことでも、今後わかることだってあると思いますし。

でも、「何となくいいらしいから」というあいまいな知識で「ホメオパシー」をわんこに試すのはやめてほしいと思っています。
少なくとも、私は調べに調べまくった上で「ホメオパシーは効果のない砂糖粒である」という結論に達しました。
(かつ、科学的な根拠を軽視している製品を使うのは怖いので使わないことを決めました)
皆様も大事な家族のため、ぜひ一緒に勉強していきましょう(‘ω’)ノにいで家のママでした。

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