幸せに暮らすための『犬の老いじたく』を考えよう

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犬と本

伴侶動物であるわんこは、近年平均寿命がぐんと伸びました。
同時に浮かんできた問題が『老化』。
わんこだって人間と同じように、介護がやってきます。
そんなわんこの老化と向き合うための心構えを作る本として、この一冊をご紹介します。

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『犬の老いじたく』

犬は7歳からシニア世代となる。ある日を境にして、後ろ脚が衰えてソファーに飛び乗れなくなったり、食べ物への執着からゴミ箱をあさったり、あるいは認知症での奇行が起こったり…。これらの老化現象がどのようにして始まるのかを知っている飼い主は意外に少ない。

『犬の老いじたく』裏表紙より

2008年出版の本書。
現在は「犬の老後」についての声もたくさんあがっています。
Twitterでは「#秘密結社老犬倶楽部」のハッシュタグで、老いたわんこの暮らしを共有しているものも。
しかし、本書が出版された当時、さらには著者である中塚さんがわんこたちの介護をしていたころは、まだまだ老犬についての情報は不足していたでしょう。
そんな中でそれぞれの飼い主さんたちが取り組んでいた工夫、そしてわんこへのいっぱいの愛が詰まった1冊です。

老犬を知る

7歳からがシニア…とすれば、我が家のシェルくんは我が家にやってきたときから(保護犬なので推定ですが)シニア。
最期は心臓の病気で寝たきり状態だった彼。このあといろいろな問題が出てくるかもしれない、とかなり真剣に読みました。
事前に知っておけば防げることも、心の準備ができることもあります。
以下で私が個人的に面白く感じたポイントをまとめておきます。

①コマンドで老後を楽しく過ごす!

我が家は人差し指を立てる=オスワリなどのハンドサインを取り入れています。
声が通りにくい環境でも指示が通るように、ということで行っていたのですが、耳が遠くなった老犬にも有効と読んで納得しました。

特に重要なのは「オイデ」だとのこと。
確かに、距離が離れた状態で使う重要なコマンドですもんね。

また、驚いたのは「コマンドで伸びができるようにしておくとよい」という一節。
老化と共に体が硬くなったわんこに対してストレッチをしてもらうのに有効、とのことです。
わんこに声をかけてストレッチをさせる、という発想がなかったため本当に驚きでした。
我が家でもさっそく、しいちゃんがのびをしているときに「のび~」と声をかけるようにし始めました。
まだまだ自在にのびができるまでには至りませんが、成功することも出てきました!
シニアになる前にマスターさせてあげたいと思っています。

②しつけで老後を楽しく過ごす!

我が家にシェルくんをお迎えしたのは彼が推定5~8歳のとき。
2021年時点で、お迎えから2年が経過しています。
我が家にやってきたときから、ものにつまずいたりオスワリができなかったりと老いを感じさせる様子があったシェルくん、「無理なしつけはせずのびのび過ごしてもらおう」と、しつけらしいしつけは行っていませんでした。

しかし本書には、シニアになってから新しいコマンドや生活スタイルを覚えた実例が紹介されています。
個人的にかなりの衝撃でした。
「楽に過ごしてもらおう」としつけをしなかった結果、もしかしたらシェルくんの持っていた可能性を狭めてしまったかもしれない…と少しばかり後悔しています。

③開き直りで老後を楽しく過ごす!

老いはいろいろなものを奪っていきます。
人間だって同じこと。若いときにはできていたあれこれができなくなる…なんてことはよく耳にします。

わんこだって同じ! と開き直ることで、くよくよ悩まずに済むことだってあります。
我が家のシェルくんは肺水腫を防ぐため、利尿剤を服用していました。
おしっこが出るようにする薬なので当然なのですが、本犬の意志では止められないようでぽたぽた出続けてしまいます。
マナーベルトとおむつを活用し、さらには寝ているときはおしりのところにトイレシーツを敷くことで、「出て当然」「出ても大丈夫」な環境を作ってあげていました。

また最終的には自力で移動ができず寝たきり状態だったシェル
そのため以前は大っ嫌いだった抱っこを(しぶしぶ)させてくれていました。
(少し元気があるときは「わんわん!」と文句を言います)
本書には老いて穏やかになった事例も挙げられていますが、老いが奪うのは活力だけではないと思います。
苦手だな、嫌だな、も減ったように感じました。

他にもいろいろな老いが出てきたとき、悲しむだけではなくて「こんなに長く一緒にいてくれてありがとう」「お世話をさせてくれてありがとう」という気持ちで日々を過ごすことも大事だな、と再認識しました。

2021/9/20、シェルは静かに眠りにつきました。
パパと二人で声を上げて泣きました。でもこの本から学んだ「お世話させてくれてありがとう」という心がずいぶん救いになったように思います。

ここだけは表現を考えてほしかった、というところ

たった一か所だけですが、気になったところがあります。
それは「ホメオパシー」について。

幸いにも、縁あって自然治癒力で心と体を癒す療法「ホメオパシー」に出会い試してみたところ、嘘のようにアレルギーは消えました。獣医師に相談のうえで別の手を打ったのが奏功したようです。

『犬の老いじたく』p.70より

詳細は別記事に譲りますが、「ホメオパシー」はいわゆるニセ科学として有名なものです。
もしも「ホメオパシー」を始めて体調がよくなったのであれば、それまでの治療をやめたことがよかったか、他の治療をしていても体調がよくなる時期だったかでしょう。
まるで「ホメオパシーのおかげ」かのように書いてしまうのは、真剣に本書を読む方に対して不実なふるまいだと思います。
せめて「ホメオパシー」がどういうものなのかを併記してほしかったです。

まとめ

気になる箇所はありましたが、体験談として大いに参考になる一冊だと思います。
わんこと幸せに暮らすうえで避けて通れない老後の問題。
心の準備をするために、どうぞ皆さん目を通してみてください(‘ω’)ノにいで家のママでした。

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