犬のデンタルケア・私が無麻酔歯石除去を選ばなかった理由

先日、シェルくんが受けた「全身麻酔による歯石除去手術」の話をブログ記事にまとめました。

その際、「無麻酔による歯石除去」の話には、あまり触れませんでした。
知識としては存在を知っていた「無麻酔による歯石除去」を私が選ばなかった理由を書いておきたいと思います。

無麻酔による歯石除去とは

その名の通り、全身麻酔を行わない（意識がある状態）で歯石を取るというものです。
「犬　無麻酔　歯石取り」などのワードで検索するだけで、「無麻酔の歯石除去やってます！」というページがたくさん出てくると思うのです、が。

もちろん、麻酔に伴うリスクはゼロにできます。
でも、それは「麻酔に伴うリスク」だけです。
「麻酔をかけないことで生まれるリスク」もあります。

無麻酔歯石除去をします、という案内では、「心臓に持病がある場合は不可」というケースもあります。
つまりこれは、心臓に負担がかかる、ということ。
意識がない中ならともかく、意識がはっきりしている状態で口の中を触られて歯石をはがされて…なんて、ストレスに決まってます。

フィラリア陽性の時代があり、心臓に雑音が残っているシェルくんにとっては、「麻酔をかけない方がリスクが高い」と思っての判断でした。
（そもそも心雑音のせいで、施術してもらえない可能性もありますが）

調べてみると、1回あたり30分〜60分での実施、と書かれているところがほとんどでした。早く終わる、ならいいんですけど。
でも、これって「短時間しか行えない」っていうことですよね…。
意識があるわんこを何時間も動かないように我慢させて、口の中を触って…は無理だということだと思います。

事実、無麻酔の歯石除去は、複数回に分けて実施することを前提にしていることが多いです。

これも、麻酔をかけない分安く済むのはわかります。
でもそのぶん、なんどもやらなきゃいけなかったら意味がないよなあ…と思います。

以前記事にあげた「シェルくんのお口」の写真でおわかりいただけると思うのですが、麻酔が効いているので口の中の隅々まできれいにしてもらうことができました。

でも無麻酔だと、「自分からあーんしてくれる」わんこしかきれいにできませんよね。
（自分からあーんしてくれる子だったら、歯石除去しなくてもきれいなのでは？という気持ちになりますが）

シェルくん…無理です。ふだんの歯磨きですら、眠い時を狙ってるのに…。
口を開けてもらって歯石を取る、さらに研磨する…のは、一回では無理。
複数回通うのであれば、価格も相応になってしまうと思います。

ちょっと調べたところ、２万円程度で実施しているところが多いようです。
私が全身麻酔でやってもらったときにかかった合計金額が約２万円なので、２回で同じ値段になっちゃいます。

獣医師以外の人が施術を行なっているケースもあると聞きます。
わんこを固定して実施することで、体に負担がかかることもあるでしょう。

もちろん、安全に気を配って実施しているところもあると思いますが…我が家の場合、中型犬なので電車に乗れない＆自家用車を持っていないので、そこまで行くのもなかなか大変です。

わんこが動けば施術はできません。大人しく口を開いてくれる子ならいいのですが。
そして我が家のシェルくん、絶対大人しくなんかしていません。

わんこに負担をかけて、お金もかけて、それで結局きれいにならなかった…じゃ意味がないなあ、と思いました。

無麻酔でできることだったら…家でやればいいんじゃない？というのが、無麻酔を選ばなかった大きな理由です。
個人的には「獣医さん以外でわんこにいろいろする」のには否定的です。無麻酔歯石除去はやめましょう、とは言いませんが、私は全身麻酔による歯石除去を選んでよかったです。

もちろん「無麻酔による歯石除去のプロ」もこの世界にはいるでしょう。
いるでしょうが、そこまでわざわざ行くのもシェルくんにとってはきっとストレス。
（かかりつけは歩いていける範囲内です）

以前かかっていたお医者さんでは、

「無麻酔でやってもらうんだったら、にいでさんがスケーリング（歯石除去のこと）の道具を買ってやったほうがいい。飼い主がやったほうが犬は安心するから安全だし、きれいにとれます」

と言われました。
もちろん異論はあると思います。我が家の考え方、ということで、参考にしていただければと思います。

※この記事を見て「無麻酔の歯石除去」やってみようかな、という方は、口コミをしっかり調べることをおすすめします。
真偽は不明ですが、「無麻酔歯石取り　危険」などで調べると、「死亡事故が起きた」というブログなどが見つかりました。

ホントは歯石除去の必要がないぐらい歯磨きをしっかりできるのが一番なんですけどね…がんばります(‘ω’)ノ