「改正動物愛護法」施行!普通の犬飼いに影響は?

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犬と時事的な話

2020年6月1日、「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」通称「改正動物愛護法」が施行となりました。

今回の法改正によっていろいろな変更点がありますが、「ごく普通に犬を飼っている人に影響すると思われる2点」と、「今回はまだ施行にならないけれども今後施行され、大いに影響する1点」についてまとめました。

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影響その1:終生飼養

動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない。

第7条の4より

こちらは2012年の改定で定められた文章。「に努めなければならない」という表現にとどまっているため、「努力義務」にすぎません。
こちらは今回変更はありませんでした。

ただし、第7条の1には改定があり、その点は法律要綱で「動物の所有者又は占有者の責務規定の拡充」として「動物の所有者又は占有者は、その動物について環境大臣が飼養及び保管に関しよるべき基準を定めているときは、当該基準を遵守しなければならないことを明確にすること。」とされています。

終生飼養も第7条で定められたこと。つまり「飼い主には責任がある」ということがより明確にされたと言えます。

もちろんわんこを飼い始めるとき(もちろんにゃんこ、その他の動物も)は「一生大切にする!」と思うはずです。
その気持ちのまま、ずーっと大切にしてあげましょうね。

飼えなくなったら…

保護犬の中には、「病気になった」「高齢になった」ことを理由にして飼い主が保健所に持ち込んだ…というケースがあります。以前は、都道府県が飼い主からの持ち込みを拒むことはできませんでした。

同じく2012年の法改正で、そのような場合は都道府県が引き取りを拒否できるようになりました(環境省によるパンフレットより)。

さらに、今までも「犬を捨てる」ことに対しては「100万円以下の罰金」という罰則がありましたが、これが今回の法改正によって「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」と重くなりました。
飼えなくなったから、と犬を捨てるとより重い罪に問われます。絶対にやめましょう。

犬を捨てる、逃がすということ

我が家のシェルくんは、やせ細って放浪していたところを捕獲された元野良犬です。保健所から保護団体さんを経て、我が家にやってきました。
生まれつき野犬とは思えないので、おそらく誰かに捨てられたのでしょう。もしかしたらどこかから逃げてきたのかもしれませんが…。
フィラリア陽性、体重は現在の16kgの半分というひどい状態でした。今でもその後遺症で、心臓に雑音が残り、薬を飲み続けています。

何度でも貼ります。保護当時。

今は元気なシェルくん。

「犬を捨てる」というのはこういうことです。

影響その2:繁殖制限

犬又は猫の所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置を講じなければならない。

第37条より

変更前は、これが「手術その他の措置をするように努めなければならない」でした。より重い文言に置き換わっています。

第44条に「飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管す
ることにより衰弱させること」という文言が追加されたことから、不適切な多頭飼育に対する罰則規定を重くしたと考えることができます。

ちなみに第44条に違反した場合も、以前も「100万円以下の罰金」が科されていましたが、今回の改正で「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」と重くなっています。

犬の繁殖制限をしないということ

我が家のしいちゃんは山生まれ。
山で犬が子どもを産んだ、という通報があって捕獲されたそうです。
幸いすぐに人に保護されたため、べたべたに人慣れしたわんこに育っています。

しいちゃんは5兄妹です。保護した団体さんがお金も時間も手間もかけて、全頭に里親を見つけてくださいました。

おそらく誰かが捨てた犬か、どこかから逃げた犬が繁殖したのでしょう。そのわんこがきちんと去勢・不妊手術をしていれば、生まれずに済んだ命でした。

去勢・不妊を悩む飼い主さんがいるのもわかります。
でも、手術をしない状態で「万が一」のことがあったとき、不幸な命が増えてしまうのです。
しいちゃんのケースはレアだと思います。多くがそのまま野良として育ち、人慣れに時間がかかったり事故等で命を落としたりします。

私は雑種犬が好きです。でも、不幸な雑種犬が増えることには反対です。
今生きているわんこを大切にすることと、これから望まれず生まれるわんこを減らすことは矛盾せず両立すると思います。

おまけ:マイクロチップ

こちらは2020年6月現在、まだ施行にはなっていません。

犬猫等販売業者以外の犬又は猫の所有者は、その所有する犬又は猫にマイクロチップを装着するよう努めなければならない。

第39条の2の2より

こちらも努力義務。ただし、動物販売業者はマイクロチップ装着を義務付けられます。
また、マイクロチップの入った犬猫を入手した飼い主は、「変更登録を受けなければならない」とされています。つまりこちらは義務

この部分が施行となったときには、ショップやブリーダーから新しく迎える犬・猫にはマイクロチップが入っていることになります。また、飼い主はそれに情報を登録するのは義務となります。

まとめ:社会の注目度の現れ

一生飼うこと、捨てない、増やさないこと。

当然ですが、大切なことです。
罰則が重くなるのは、それだけその社会がその問題を重視しているということだと思います。
飼い主にはわんこを守る責任があります。

皆様も法を守って楽しいわんこライフを(‘ω’)ノにいで家のママでした。

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