わんこのしつけに便利なおやつ、あげてますか?
くいつきがいいものはトレーニングにも食べ渋り対策にも、いろいろと便利です。
市販品をあげるか手作りをあげるか…それぞれの考えがあると思います。
市販品のおやつをあげたことで起きた健康被害、手作りによる食中毒の件数などなどについてまとめてみました。
市販品なら安全?
日本のペットフードは、「ペットフード安全法」といわれる法律で、成分規格や製造方法の基準が定められています。
この法律が適用されるようになったのは、2009年のこと。アメリカで起きたペットフードへの有毒物質混入事件をきっかけにつくられた法律です。
この法律によって、かなり日本のフードは質が良くなった、と言われています。
じゃあ今出回っている市販のものなら絶対安全か…というと、そうでもなく。
2019年、こういう事件が起きました。
株式会社ノースペットが製造したささみ姿干し製品において、サルモネラ菌汚染が発生。このおやつを食べた犬に、死亡事例を含む甚大な健康被害が生じた。
2020年1月20日現在、健康被害の総数は92匹となり、そのうち20匹のペットが亡くなられました。
生活クラブ「ペットフード「犬・猫用ササミ姿干し 無塩」によるペットの健康被害に関する調査結果のご報告と今後の対応」より
前述の「ペットフード安全法」によれば、「犬・猫の健康被害に直結するような重大な違反の場合には、直ちに全てを回収することが必要になる」とされています(ペットフード安全法に関するQ&Aより)。
ただし、ノースペットのおやつは、公式ホームページによれば「製造・販売中止、流通在庫の回収・廃棄処分を実施」とありますが、2020年5月24日現在、インターネット上で購入が可能なサイトがあります。徹底した回収が行われているとはとても言えません。
なお、調べた限りでは、公式ホームページに被害状況の詳細はありませんでした。回収も不徹底、情報公開も不十分となると、企業としての社会的責任をどう考えているのか、という思いに駆られます。
手作りなら安全?
お肉や果物を乾燥させることで、わんこのおやつは比較的かんたんに作ることができます。
先日うちでも焼きレバー(レバージャーキーもどき)を作りました。
適当にスライスしたレバーやハツをクッキングシートに並べて、160度に余熱したオーブンにいれ、片面を20分、ひっくり返してもう片面を20分焼く。
カリカリに焼けるので、冷ましたら食べられます。
(味付けなしですが人間も食べられます。特にハツで作ったものはおいしい!)
これはしいちゃんもシェルくんも大喜びでした。
作るのも簡単で、お値段も安く済むので嬉しい。
(写真をアップしようと思ったのですが、見た目がちょっとグロテスクなのでやめました)
じゃあ安全性は、というと…。
もちろん使う道具や手はよく洗って作りました。
でも、工場で衛生管理を徹底したものにはかないません。
数日で食べ切れる量にしましたが、使うたびに焼くのもちょっとたいへん。
そう考えると、市販品は強いですよね。
家庭の食中毒
厚生労働省による食中毒統計資料によれば、2019年の食中毒の報告件数は1,061件。そのうち家庭で生じたものは151件だそうです。
せっかくなので、どんな原因で家庭内の食中毒が起きているのか…病因物質ごとに分類してみました(‘ω’)ノ利用したのは2019年のデータです。
※あくまでも人間のデータです。わんこ・にゃんこは含まれていません。
病因物質 | 件数(件) | 割合(%) |
寄生虫-アニサキス | 72 | 47.7 |
自然毒-植物性自然毒 | 48 | 31.8 |
自然毒-動物性自然毒 | 24 | 15.9 |
細菌 | 6 | 4.0 |
不明 | 1 | 0.7 |
合計 | 151 | 100 |
こうしてみると、圧倒的に多いのは「アニサキス」。お刺身が原因のケースがほとんどでした。わんこに魚をおすそ分けしているご家庭は要注意!
(我が家もしいちゃんがお魚大好き。気を付けます)
次に多い「植物性自然毒」は、キノコや野草。これはあんまりわんこに上げているおうちはないのではないか、と思います。
「動物性自然毒」は魚。なかでもフグ。これもあんまりわんこにはあげないのではないかと思います。
「細菌」を原因とするケースでは、バーベキューの食材からの感染がありました。これはわんこも要注意ですね。
家庭でつくったものは安心、と思いがちですが、「安心」と「安全」は違います。
「国産だから安全」ではないように、「手作りだから安全」でもありません。
どうやったらわんこを守れる?
何事にも「絶対」はありません。
手作りでも、市販品でも、事故は起こりうると思います。
だからこそ、
・保管は正しいやり方で
・賞味期限、消費期限は守る
という普通の注意に加え、
・一度にたくさんあげない
ということが大事になるのかなと思います。少量であれば影響が出にくい・少ないことも考えられます。
我が家も(肥満防止の観点が強いですが)おやつは大量にあげないようにしています。
また、市販品であれば
・こまめに口コミを調べる
ことも大切ですね。
上記の「ノースペット」の事件も、最初に「生活クラブ」が「家庭内在庫廃棄のお願い」を出したのは2019年4月15日でした。
(ただしこの記事には「ノースペット」の表記がないため、これだけで同社のすべての製品を疑うのはかなり難しいと思われます)
わんこのおやつタイムは本来楽しいもの。「あげるんじゃなかった」とならないようにするためには、飼い主がきちんと調べること、声をあげることが必要です。
もちろん、それですべてが防げるわけではありません。防ぎきれなかった飼い主を責めるのは問題外です。
誰にでもありうることです。それを理解した上で、日々行動していくしかないと思います。
大事な家族の健康を守るために、少しでもできることをやっていきましょう(‘ω’)ノ
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